珈琲抽出理論

≪珈琲抽出理論≫ドリッパーの特性とコーヒーの香味の関係

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コーヒードリッパーは『円錐形』『台形』の2種類がある

ハンドドリップで使うコーヒードリッパーには、大きく分けて2種類あります。

  • 円錐形ドリッパー
  • 台形ドリッパー

です。

これらは、その形のみならず、抽出されるコーヒーの味わいも変わってきます。

今回は、この代表的なコーヒードリッパーの味わいの特徴を解説します。

円錐形コーヒードリッパーは酸質がハッキリする

円錐形コーヒードリッパーの特徴は、酸質がハッキリすることです。このドリッパーは、

  • 果実のような酸質を楽しめる浅煎りコーヒー
  • 深煎りコーヒー豆でも、ロースト感と酸質を両方楽しみたい時や複雑な香味を体感したい時

におすすめです。

 

円錐形コーヒードリッパーは、文字通り円錐形の形をしています。このドリッパーの特徴は、

  • 抽出されるコーヒーが落ちていく、大きな一つ穴
  • 側面の長いリブ

です。お湯の抜けが良く、すっきりとした味わいになる傾向があります。香味の筋がわかりやすいのも特徴の一つで、フレーバーがわかりやすいコーヒーに仕上がります。

そのため、とりわけ酸質がハッキリとする傾向があります。

ハリオV60は浅煎りコーヒーにおすすめ

円錐形コーヒードリッパーを代表する”ハリオV60”は、浅煎りコーヒーにおすすめです。

  1. 大きな一つ穴構造
  2. 太く長いスパイラルリブ

が特徴のコーヒードリッパーです。一つ穴からだけでなく、側面に設置してある長いリブに沿ってもコーヒーが抜けていきます。湯抜けが非常に良い構造となっており、スッキリとしていてフレーバーの特徴がわかりやすいコーヒーを淹れることができます。

側面にはしるスパイラルリブ

側面をはしるスパイラルリブ

 

大きな一つ穴

コーノ名門ドリッパーは角の無い丸い味わいのコーヒーになる

コーノ名門ドリッパーは柔らかで、豊かなアフターを感じるコーヒーを淹れることができます。中深煎り~深煎りコーヒー豆に特におすすめしたいコーヒードリッパーです。

 

このドリッパーの特徴は、リブの構造です。

先端から側面の途中までしかリブが設置してありません。

リブより上のゾーンではペーパーフィルターがドリッパー側面と密着した状態になるため、リブの部分と比べるとお湯の抜けていきません。つまり、

  • リブより上のゾーンはお湯が抜けずコーヒーがお湯につかった状態→浸漬式、つけ込まれた状態
  • リブより下のゾーンはお湯の抜けが良い→透過式

となり、上と下で抽出の状態が違うのです。浸漬式抽出と透過式抽出の2つの役割が合わさっているのが、このコーノ名門ドリッパーなのです。非常に優れものです。

浸漬式抽出は、コーヒーのアロマを良く感じることができて、角の無いまろやかな味わいとなります。一方、下の透過式ゾーンは湯抜けが良いため、過抽出を防ぎ雑味を軽減します。

深煎りコーヒー豆には相性が良く、嫌みの無いリッチなロースト感を楽しめます。

台形コーヒードリッパーはロースト感が出やすい

円錐形のコーヒードリッパーが酸質を表現しやすいのに対して、台形のコーヒードリッパーはロースト感が出やすい傾向にあります。このドリッパーは、

  • 深煎りの良質なロースト感を楽しみたい時
  • 浅煎りでもロースト感とのバランスを感じたい時

におすすめです。

 

台形のコーヒードリッパーは、ドリッパーの断面図が台形の形をしています。

また、円錐形コーヒードリッパーに比べると、コーヒーの面(お湯をかける面)が広くなります。そのため、お湯を勢いよくかけるとコーヒー豆が攪拌される範囲が広くなり、成分の抽出効率が高くなります。

台形のコーヒードリッパーで勢いよくお湯を注ぐと、濃度感が出やすいのです。その反面で、過抽出となり雑味の原因となる可能性もあるので注意が必要です。

台形コーヒードリッパーで雑味を感じるときは、お湯のかけ方にも注意を向けましょう。

カリタコーヒードリッパー101はすっきりした味わい

カリタのコーヒードリッパー

カリタのコーヒードリッパー101は、スッキリとしたテイストの中にロースト感を味わえるのが特徴です。

  • 縦に並んだ3つの穴
  • ドリッパー全面にはしるリブ

が特徴です。

最大の特徴であるリブと3つ穴

側面にはしるリブがお湯の抜けを良くし、スッキリとしたテイストを出しながら過抽出を防ぎます。また、底面に3つの穴が開いているため、どこにお湯をかけてもバランスよくお湯が抜けていきます。

お湯の抜け方が非常に安定するため、ハンドドリップ初心者の方にもおすすめのコーヒードリッパーです。

 

カリタコーヒードリッパー101はコチラの記事でも詳しく解説しています。

メリタアロマドリッパーは豆の香りが豊かになる

メリタのアロマドリッパーは、お湯とコーヒー豆の接する時間が長くなり、豊かな豆の香りを味わえます。

抽出したコーヒーが抜ける穴が、ドリッパー側面に設置してあることが最大の特徴です。また、穴の数はひとつです。

ひとつ穴が側面に付いているため、コーヒーがドリッパー内にたまる構造になっています。つまり、コーヒー豆がお湯の中に漬け込まれる状態になるわけです。

そうすることで、お湯に豆の香りが移りやすく、香り高いコーヒーが淹れられるのです。

 

さらに、お湯をどんなに乱暴にかけても、ドリッパーからコーヒーが落ちていく速度は常に一定になります。なぜなら、穴がひとつしか開いていないからです。

カリタコーヒードリッパー101同様、お湯のかけ方が安定しないハンドドリップ初心者にもおすすめです。

コーヒードリッパーはリブと穴の大きさ(数)で湯抜けが変わってくる

コーヒードリッパーのリブと穴の大きさ(数)がどうなっているかで、

  • お湯の抜け方
  • コーヒー豆とお湯が接している時間

が変わってきます。

  • リブが多くまたは長い
  • 穴が大きいまたは多い

と、お湯の抜けが良くなり、コーヒー豆とお湯が接している時間が短くなります。つまり、雑味が出にくいのです。しかし、デメリットもあります。それは、お湯が速く抜けてしまうために濃度のコントロールや抽出時間のコントロールが難しいことです。

特に、抽出時間のコントロールが難しいハンドドリップ初心者の方は、こういったコーヒードリッパーだと扱いが難しいです。なぜなら、お湯のかけ方が一定でないと、抽出時間も不安定になるからです。抽出時間は、ハンドドリップの味わいに大きく影響する重要な要素です。

そこで、まずはお湯の抜け方が一定になる、ひとつ穴のコーヒードリッパー(メリタのアロマドリッパーなど)を使用して練習することをおすすめします。ある程度慣れたら、湯抜けの良いコーヒードリッパーを試してみましょう。

ちなみに、ひとつ穴のコーヒードリッパーで雑味の少ないコーヒーを淹れるポイントは、

  • 良いグラインダーを使う
  • 良いコーヒー豆を使う
  • コーヒー豆を多くして粗挽きにする

ことです。

グラインダーについてはコチラの記事で詳しく解説しています。

まとめ

コーヒードリッパーは、その形や構造によって味わいが大きく変わってきます。まとめると、

  • 円錐形コーヒードリッパーは、酸質がハッキリする
  • ハリオV60はスッキリとしてフレーバーがわかりやすい
  • コーノ名門ドリッパーは、角の無い柔らかな味わいになる
  • 台形コーヒードリッパーは、ロースト感を楽しめる
  • カリタコーヒードリッパー101は、スッキリとした中にロースト感を味わえる
  • メリタのアロマドリッパーは、豆の豊かな香りがする

好みに合わせてコーヒードリッパーを選べると、ハンドドリップの楽しみが広がります。

プラスチック製のコーヒードリッパーであれば500円前後で買えるので、いろいろ試してみるのもありです。

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