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中級グラインダーに微粉対策は必須
カリタネクストGやみるっこをはじめとする中級グラインダーは、微粉対策が必須です。もちろん、微粉対策をしなくてもコーヒーを淹れることはできます。しかし、より美味しくハンドドリップをしたいときは、微粉による影響を無くした方が得策です。
コスパが良く、家庭でも使用できる中級グラインダーは、ハンドドリップにこだわるユーザーに人気のアイテムです。手挽きミルよりも性能が良く、コーヒーショップで挽いて豆を買うよりも鮮度を保つことができます。美味しさと利便性を考えるなら、電動の中級グラインダーほど良い相棒はいません。
しかし、ひとつ大きなデメリットがあります。それが微粉の多さです。確かに、低価格帯のグラインダーよりは性能は良いのですが、dittingやEK43をはじめとするハイエンドに比べると劣ってしまうのも事実です。刃の構造や機構、精度、処理能力に差が出てしまうため、美味しさにもおのずと差が出ます。
具体的には、カップのクリーンさと雑味に差が出ます。
グラインダーの性能の良さと”粒度の均一性””微粉の量”は大きな関係があります。グラインダーの性能が良いほど、
- 粒度の均一性が良くなり、クリーンなコーヒーになる
- 微粉の量が少なくなり、雑味が感じなくなる
傾向があります。もちろん、淹れ方やレシピ、使用する素材の良さも影響するため、一概には言えません。しかし、相関があることは確かです。
私個人の見解では、中級グラインダーの粒度の均一性については、問題ないと考えています。抽出レシピやテクニックなどである程度カバーできる範囲だからです。しかし、微粉の量は、やはり多いです。というより、対策後のコーヒーの方が、圧倒的に美味しいです。
であれば、微粉対策した方が断然いいですよね。しかも、簡単にできる方法があれば、やるべきです。
微粉はハンドドリップコーヒーの雑味になる
微粉が雑味の一因となることは、ハンドドリップをする方の多くが承知の事実です。その理由は、微粉から成分が出過ぎてしまい、雑味までも抽出されてしまうからです。つまり、微粉から過抽出が起きてしまうのです。
微粉から雑味が出るのは、過抽出が原因
過抽出とは、文字通り成分が必要以上に抽出されている状態のことです。微粉の粒度は非常に細かいため、お湯を触れた瞬間から成分のほとんどが抽出されてしまいます。成分の抽出タイミングが非常に早いのです。
一般的に雑味は、抽出タイミングがその他の成分に比べて遅い傾向にあります。つまり、抽出時間を適切に設定することで雑味を抑えることが可能なわけです。しかし、微粉は一瞬にして内部にお湯が浸透し、成分抽出が始まります。それに伴って雑味も瞬時に抽出されてしまうのです。
最も簡単な微粉対策
ここまでの微粉の特徴をまとめると、以下の内容になります。
- 過抽出により雑味の原因となる
- 粒度が非常に細かく、成分が一瞬で抽出される
- 雑味の抽出タイミングが非常に早い
この特徴から、最も簡単で効果的な微粉対策方法は『蒸らしの時に抽出される落下液を捨ててしまう』ことです。蒸らしとは、ハンドドリップで一番最初にお湯をかける工程です。蒸らしについて、詳しくはコチラの記事で解説します。
ハンドドリップでお湯をかけ、一番初めに落ちる抽出液には、微粉から抽出された成分が多く含まれています。それには雑味も含まれます。これを捨ててしまうことで、微粉からのネガティブな要因をカットすることができるのです。
微粉対策で味わいや濃度が変わったときの対処方法
ここで、この方法に疑問を感じる方がいるはずです。
『微粉以外のコーヒー豆の粒度帯から抽出された、良質な成分も一緒に捨ててしまうのではないか?』『捨ててしまうと濃度が薄くなるのではないか?』
これは、
- コーヒー豆の挽き目を粗挽きにする
- コーヒー豆の量を少し多くする
- 蒸らし時間を延ばすことで抽出時間を調整する
ことで対処できます。
まず、コーヒー豆の挽き目を従来よりも粗挽きに設定します。そうすることで、成分抽出のタイミングを遅くすることができます。微粉に対して、粗挽きの粒度の(コーヒー豆の挽き目は粗ければ粗いほど)成分の抽出は遅くなります。蒸らしの時の落下液を捨ててしまっても、粗挽き粒度には良質な成分がまだまだ残っています。
もちろんこれも完全ではないため、表面からの成分抽出は始まってはいます。つまり、若干濃度が薄くなる可能性があるわけです。
コーヒー豆の粒度を粗めに設定して、濃度が薄くなった場合は、コーヒー豆の量を2g刻みで多くしていきます。そうすることで、微粉からの雑味を排除しつつ、薄くなった濃度をカバーします。
また、コーヒー豆の粒度を粗めに設定することで、抽出時間が短くなる可能性があります。お湯の抜けが良くなるためです。これについては、短くなった時間だけ、蒸らし時間を長くすることで、元のレシピと同じ抽出時間に揃えます。そうすることで、香味バランスも整えることが可能です。場合によってもう少し長い方が良いかもしれません。テイスティングして微調整しましょう。
まとめ
これまでの微粉対策は、パウダーコントロールストッカーなどを使用して、お湯をかける前に必要のない粒度帯をあらかじめ捨てることが主流でした。もしくは、そもそも微粉対策が必要のないハイエンドグラインダーを使用するとこが多いです。
しかし、上記のような方法を取り入れることで、ちょっとしたレシピの変更だけで微粉対策が可能になります。さらに、新しいグラインダーを買う必要はありません。
お得で簡単な方法です。ぜひ一度お試しください。
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