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焙煎度合いで抽出レシピを調整しよう
深煎りのコーヒー豆と浅煎りのコーヒー豆は、全く別物と考えた方が良いです。なぜなら、内部の構造や硬さ、密度、成分の抽出効率など、様々な違いがあるからです。もちろん、味わいも全然違いますね。
つまり、ハンドドリップでコーヒーを淹れるときも、焙煎度合いによって抽出レシピを変えた方が良いのです。具体的には、
- コーヒー豆の挽き目
- お湯の温度
- お湯をかける範囲
- ドリッパー
の4つを変えた方が良いです。
そうすることで、深煎りは深煎りの、浅煎りは浅煎りの美味しさを最大限に引き出すことができます。
今回の記事では、
- 普段、深煎りコーヒーを淹れている方が、浅煎りコーヒーを淹れるときに、どうレシピを調整したらよいか?
そのレシピの調整方法を紹介します。
深煎り→浅煎りレシピの調整方法
普段、深煎りコーヒー用の抽出レシピをもとに浅煎りコーヒーを淹れる場合、次の項目を調整しましょう。
- コーヒー豆の挽き目を細くする
- お湯の温度を93~95℃に上げる
- コーヒー豆全体にお湯をかける
- 円錐形ドリッパーを使用する
コーヒー豆の挽き目について
浅煎りのコーヒー豆は、深煎りコーヒー豆に比べて密度が硬く抽出効率が悪いため、成分が溶け出しにくい傾向にあります。つまり、深煎りコーヒーのレシピでそのまま浅煎りを淹れる場合、抽出不足の可能性があるのです。
浅煎りコーヒーを淹れるときは、コーヒーの挽き目を細くします。そうすることで、抽出効率を高めて濃度感を補うことができるのです。
ただ、挽き目を細くした場合、過抽出が生じて雑味が出てしまう可能性もあります。雑味が発生した場合は、
- コーヒー豆の量を2g刻みで増減させて濃度調整を行う
- お湯を注ぎ分ける回数(または蒸らし時間)を増やして、抽出時間を延ばす
を行って、濃度調整を行います。
ここら辺の濃度調整については、いくつか手段を理解しておくと非常に便利です。『挽き目を変える』もしくは『コーヒー豆の量を変える』『抽出時間を変える』で、濃度は変わっていきます。
お湯の温度について
上記のように、浅煎りコーヒーは成分が抽出されにくい傾向があります。つまり、深煎りコーヒーと同じお湯の温度で浅煎りコーヒーを淹れた場合は、コーヒー本来のフレーバーが開かず、暗い印象になる可能性があります。
従って、お湯の温度は93~95℃に変更し、比較的高めの温度で抽出を行います。
ただ、ロースターさんによって抽出推奨温度が異なるため、焙煎士さんに確認するのがベストです!
お湯をかける範囲について
浅煎りコーヒーを淹れる場合、お湯をかける範囲は広い方が良いです。ドリッパー全体、コーヒー豆全体にお湯をかけましょう。
これまで説明した通り、浅煎りコーヒーは成分が抽出されにくいので、なるべく抽出効率を上げていく必要があります。
お湯をかける範囲を広くすることで、すべてのコーヒー豆の粒から余すことなく成分を引き出します。バリスタさんによっては、蒸らしの時にスプーンでコーヒー豆を攪拌する方もいます。
これは、いわゆる収率を上げるために行います。浅煎りコーヒーの美味しさを考えるうえで、収率は非常に大切な項目です。
ドリッパーは円錐形がおすすめ
浅煎りコーヒーを淹れるときは、円錐形ドリッパーがおすすめです。円錐形ドリッパーは、
- 酸質が締まる印象
- 香味の筋がわかりやすい
- フレーバーがわかりやすくなる
といった特徴があります。また、これは個人的な感想ですが、リブの長さが長いほど、酸質がハッキリしてくるようです。
ハリオV60とコーヒー名門ドリッパーを使用して検証した結果、まったく同じレシピでも酸質に違いを感じました。ちなみに、コーノ名門ドリッパーに関しては製造年代、作られた時期やシリーズによってリブの長さが違います。全シリーズで検証してテイスティングを行いましたが、やはり、リブの長さと酸質には関係がありそうです・・・!
深煎りコーヒーで台形ドリッパーを使用していた方は、浅煎りコーヒーでは円錐形ドリッパーを使ってみましょう。