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『ハンドドリップ』コーヒー抽出レシピ ≪2019年最新版≫
ハンドドリップの抽出レシピをさらに美味しくリニューアル!今回のレシピのコンセプトは『味わいを調整できる』ということ。たった3つのポイントを抑えることで味わいを最適な形に調整できます。
それでは実際にレシピをご紹介します!
ハンドドリップ コーヒー抽出レシピ
使用するおすすめアイテム
・カリタウェーブまたは台形ドリッパー
・タカヒロコーヒードリップポッド雫 または 細口ケトル
このレシピでは台形ドリッパーがおすすめです。台形ドリッパーは円錐ドリッパーよりもお湯の注ぎ方によってコーヒーの濃度変化が大きく変化します。今回のレシピはその特徴を利用した構成になっています。
ドリップケトルは細口のものがおすすめ。お湯の勢いが強かったり、太かったりするとドリッパー内のコーヒーを攪拌してしまいます。この予期せぬ攪拌によって、抽出成分が不均一になったり、抽出後半の雑味が出てしまうことがあります。細口のケトルを使い、蜜をたらすようなイメージでお湯をゆっくり注げるものがいいです。
必要なもの
・コーヒー豆:20g、中粗挽き
・お湯:220g、90度
・温度計
・スケール(重さと時間が測れればオッケーです。)
・コーヒーグラインダー
・ドリップケトル
・コーヒードリッパー
・コーヒーサーバーかマグカップ
抽出レシピ
①:蒸らし
90度、20〜25gのお湯をコーヒーの表面全体にまんべんなくかけ、30秒蒸らす。かけるお湯の量は、サーバーに抽出液が落ちないギリギリを攻めます。
〇ポイント
この蒸らしは、①コーヒー全体にお湯を均等に染み込ませる ②コーヒー豆に含まれるガスを外側へ放出させる ために行います。
ドリッパー内の抽出環境を整えることで、蒸らし以降の成分抽出を均一にするのが狙いです。また、ガスを外側へ放出させることで、雑味のもととなるアクを表面に浮かび上がらせることができます。
コーヒーにクリーンな印象を持たせるために、蒸らしはとっても大切です。
浅煎りのコーヒーを使うときは、温度を上げるとフレーバーがよく開きます。使う豆によって調整しましょう。
②:美味しい成分の抽出
蒸らしが終わったら、100gのお湯をコーヒー全体にまんべんなく、中心から1番端っこまで円をなぞるように徐々に外側へ注ぎます。ペーパーフィルターにお湯がかかるまで注いで大丈夫です。
蒸らしによって溶け出したコーヒーの良質な成分を抽出します。コーヒー豆から浮かび上がった成分をお湯で洗い流すイメージです。
〇ポイント
一般的なハンドドリップでは中心のみに円を描くようにお湯を注ぎますが、このレシピでは蒸らしの次に全体へお湯を注ぎます。コーヒー豆の攪拌を避けるためになるべく細く、成分を均一に抽出するために素早く注ぎましょう。
美味しさのもととなるコーヒーの主成分は、前半にそのほとんどが抽出されます。抽出の前半に成分を効率よく引き出し、味わいのベースを作ります。
③:濃度の調節
100gのお湯をドリッパーの中心に蜜をたらすようにゆっくりと注ぎます。注ぐ速度は、ドリッパーの水位が一定になり、サーバーへコーヒーが落ちる速度と同じになるようにします。
ここではコーヒーを攪拌しないように優しくゆっくり注ぎましょう。抽出の後半は、雑味が出やすくなる傾向があります。その一方で、良質なコーヒー本来の甘みとロースト感は、抽出の後半でも引き出すことができます。
ドリッパー内を不均一に攪拌してしまうと、抽出成分が場所によってバラツキ、味わいのクリーンさが損なわれてしまいます。攪拌が起こる部分は過抽出になってしまい雑味が出るからです。コーヒーの攪拌を抑えながら甘みとロースト感を引き出し、濃度を整えていきます。
〇ポイント
3回目のお湯を注ぎ足すタイミングとドリッパーを外すタイミングは、抽出液が落下する速度が変化したタイミングです。ツーっと一直線に落ちるコーヒー液が、トットットットっと途切れ始めたタイミングです。
こうする事で、ドリッパー内の抽出環境を常に一定に保ちながらお湯を注ぐのです。
味わいを調整する3つにポイント
このレシピでは、エイジングによる鮮度管理とお湯の温度、コーヒー豆の挽き目を変えることで味わいを調整します。
エイジングにより香りを調整する
エイジングとは、焙煎後のコーヒー豆からガスを抜く工程です。焙煎による加熱で化学変化が起きたコーヒー豆は二酸化炭素をはじめとするガスを放出します。焙煎直後はこのガスの影響が大きく出てしまうため、コーヒーがガスっぽくイガイガします。
ハンドドリップでは、焙煎度合にもよりますが、焙煎後の5日〜7日がコーヒー豆のベストコンディションです。香りやフレーバーが開き、香味のバランスも良いタイミングです。
美味しく作るために、抽出までの日程を逆算し、最も香り高くフレーバーが一番開くタイミングでコーヒーを作りましょう。
焙煎後7日を過ぎたあたりから香りの劣化が見られるようになります。ガスとともに良質な香りも揮発するためです。この場合、コーヒー豆の挽き目を細かくする、または湯温を上げるなどしてフレーバーを調整します。
湯温でフレーバーを調整する
コーヒーのフレーバーは、抽出時の湯温により明るさが変化します。湯温が高くなるほど明るくシャープな印象に、低いほど暗い印象になります。
フレーバーが暗く、キャラクターがはっきりしない場合は湯温を上げましょう。特に浅煎りの場合は豆も固く抽出効率が悪いため、高めの湯温でフレーバーを引き出します。
ただ、湯温が高すぎると酸質がシャープになりすぎたり、過抽出による雑味が出たりするので注意が必要です。
挽き目で濃度を調整する
グラインダーの挽き目でコーヒーの濃度を調整します。濃度が薄い場合は挽き目を細く、濃い場合は粗くします。
グラインダーの性能によって挽き目の調整度合が変わってきます。どれくらいの挽き目でどの程度濃度が変化するか、一度検証してみましょう。
まとめ
①90度のお湯を20〜25g注ぎ、30秒蒸らす。
②100gのお湯をコーヒー全体に注ぐ。
③100gのお湯をドリッパーの中心のみに注ぐ。
④エイジングで香りを調整
⑤湯温でフレーバーの明るさを調整
⑥コーヒーの濃度は挽き目で調整
レシピ自体はシンプルですが、お湯の注ぎ方で美味しさが大きく変わります。抽出の理論的な面も検討しながら一度お試しください。
慣れてしまうと、コーヒーの味わいを簡単に調整できるのでとても重宝します!