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『みるっこ』か、『カリタ』か。
ハンドドリップで使うちょっといいグラインダーをお探しの方は、必ずと言っていいほどこの難題に挑むことになります。それは、『みるっこ』にするか、『カリタ』にするか。
喫茶店やコーヒーショップでも頻繁に目にするプロフェッショナル御用達のグラインダー。見た目やサイズ感、ネット上の評価も、価格も同じくらい。他にもいろいろなグラインダーはありますが、この2つで悩む方は多いはずです。今回は、コーヒーギークとしての個人的な感想や調査結果を踏まえ、この2代巨頭をご紹介していきます。
今後のグラインダー選びの参考にしてみてください!
グラインダーをどう選ぶか?
グラインダー選びの基準は、主に次の4つです。
その1:手挽きか電動か
手挽きグラインダーの良さは『ゆっくりした速度でコーヒー豆を挽くため、香りが飛びづらい』ことです。コーヒー豆の香りは熱によって揮発しやすく、グラインダーで挽いた際に発生する摩擦熱によって香りが飛んでしまう傾向があります。手挽きであれば挽く速さも遅く、摩擦熱の発生も抑えることができます。コンパクトなものも多いので、持ち運びも簡単です。ただ、ちょっと手間です。。。
電動の良さのひとつは、使い勝手の良さ。スイッチ一つでコーヒー豆を挽くことができ、とても簡単です。値段と性能が比例するところもありますが、良いものを買えば良き相棒となります。
その2:予算や価格
グラインダーの価格帯はピンキリです。手挽きは比較的安価なものも多いですが、2~3万円台のハイエンドのものもあります。電動でも安価なものはありますが、性能もやはり・・・という感覚です。せっかく電動を買うのであれば、しっかりと選んでいいものを探すのがおすすめです。
まずハンドドリップを始めたい方は、安価な手挽きミルから始めて、コーヒーが大好きになったらちょっと良い電動を買うのがいいですよ。ちょっと良い価格というのは、2万円台~です(個人的な感想です)。この価格帯だと、使用感も良く満足できるはずです。
その3:サイズ感
場所を取りたくない方、キャンプなどの屋外で使用したい方は、手挽きのミルがおすすめです。ご家庭で本格的なハンドドリップをしたい方は、やはり電動グラインダーを買って、キッチンにドーンと鎮座させたいです。
その4:挽き目や性能
最も気になるのがこの性能。見るべきポイントは次の3つ。
① どれくらいの粗挽きから細挽きまで対応できるか『挽き目の幅』
② バラツキのない均一な挽き目を出せるかどうか『粒度の均一性』
③ 微粉末が少ないかどうか『クリーンさ』
例えば、普段フレンチプレスを多く使用する方は、粗挽きに広く対応できる物がいいでしょう。クリーンで透明感のあるコーヒーが好きな方は、粒度の均一性があるものがおすすめ。一方で、複雑な香味が好きな方はある程度バラツキがでるグラインダーの方がいいかもしれません。
ご自身の作りたいコーヒーの味わいに合わせてグラインダーを選びましょう。
以上の点を踏まえて、早速『みるっこ』と『カリタ』のご紹介をしていきます。
『みるっこ』vs『カリタ』
価格は?
みるっこの価格はだいたい5万円前後です。この価格帯のものと釣り合いのとれるカリタのグラインダーは主に2種。『ナイスカットG』と『NEXT G』です。カリタは2~4万円。ナイスカットGが2万円前後で、NEXT Gが4万円弱。
カリタの方が若干安いです。
ちなみに、ナイスカットGはカリタナイスカットミルの後継機として登場した機種となります。このモデルチェンジによりナイスカットミルは少し値上がりして4万円前後。今後はもう少し高くなるのでしょうか。。。とはいえナイスカットGは後継機としてグレードアップしてます!
サイズ感は?
サイズ感は両者で大差はありません。みるっこは円形フォルム、カリタは縦長フォルムのイメージです。
ただ、みるっこの方が重量が重いです。カリタNEXT G が3.2㎏であるのに対して、みるっこは5.0㎏。どっしりとタフ。使用感をそれぞれの愛用者に聞いてみると、みるっこの方が丈夫で故障が少ない、との意見が多かったです。
みるっこはタフな外見通り、モーターが丈夫で耐久性があるようです。一方でカリタは可動部が故障しやすい、ずれやすいとの意見が。。。ご家庭で使用する分には、両者で大きな差は出ないでしょうが、お店などで連続使用する状況では差が出てくるかもしれません。
性能は?
最も気になる性能。個人的な感想や愛用者からの意見を交えて書いていきます。
みるっこは、カリタに比べ粒度の均一性に優れているようです。グラインド式臼歯を採用しているみるっこは、コーヒー豆をすりつぶすようにして挽きます。このメソッドがクリーンな味わいや甘さ、コクを引き出すとの感想もあります。

みるっこのグラインド式臼歯。 出典:https://www.coffeesakura.jp/pic-labo/mmirukko09.jpg
一方で、カリタは適度な粒度分布を有しており、複雑な味わいや重層的な香味を表現しやすいです。2016年度のJapan Hand Drip Championship で優勝したUNLIMITED COFFEE BARの佐藤バリスタは、カリタのナイスカットミルを使用し優勝しています。この決勝大会でも『一つの(設定した)メッシュに対し、適度な粒度分布がある』との評価をしております。
また、カリタの現行グラインダーは粉砕速度が遅く設定してあるため、コーヒー豆に対する摩擦熱を抑えることでフレーバーの揮発を抑え、味わいを守っています。
先代の「ナイスカットミル」が中挽きで130g/分だったのに対して、「ナイスカットG」は100g/分。こう説明すると、「遅くなっちゃったの?」と不安になるかもしれないが、決して性能が低下したわけではないのでご心配なく。粉砕速度を落とすことで摩擦熱を抑制するとともに、粒度の均一性も向上。つまりこれは、よりおいしく挽くために意図して設計されたものなのだ。
引用元:https://kakakumag.com/seikatsu-kaden/?id=10193
さらにカリタNEXT Gではボディ側面の丸穴に静電気除去機能が付いており、ボディに微粉末がこびりつくことがありません。

静電気除去装置 出典:https://kalita.pw/img/files/item_detail/1/4/1496/image.jpg?20160404194800
一方で、みるっこは静電気が発生するため、グラインダーのボディに微粉末が付着します。が、ボディに微粉末が付着するため、自然と微粉末の除去が可能で、クリーンさや粒度均一性に磨きがかかります。
微粉末量は、個人的な感想として、両者で有意差は無いと考えます。ここまできて微粉が気になるのであれば、さらなる上位機種のEK43 (Mahlkoenig社)がおすすめです。これはWBC(ワールドバリスタチャンピオンシップ)公式グラインダーとしても採用されている名機。均一性がとにかく優れ、クリーンさがずば抜けており、抽出レシピを強制変更させられるほどのレベルです。
挽き目の幅は、カリタの方が細かく挽けます。両者で若干の差はありますが、ハンドドリップをする上では特に問題は無いと思います。
まとめ
みるっこは・・・
・ちょっと高い
・頑丈でタフ
・粒度の均一性が優れる
カリタは・・・
・適度な粒度分布を持つ
・静電気防止機能で清潔
・粉砕速度が遅い
ぜひご参考にしていただき、最高の相棒を見つけてみてください!
ちなみに僕はカリタのNEXT Gを愛用しています。低速粉砕と清潔さが嬉しい長所。味わいも申し分ないです。短所としては、連続稼働すると熱を持つため夏場やイベント出店でモーターが焼けないか心配になります。低速なので処理能力が遅い。ご家庭での使用は問題ありませんが、業務用には・・・です。