浅煎りコーヒーのおすすめの抽出テクニック
多くのバリスタがコーヒー抽出を理論的に考えるようになって以来、さまざまなテクニックや抽出レシピが生まれました。そんな中で画期的だったのが『二段階抽出』です。2016年度のJapan Brewers Cup の決勝大会で紹介もされていたこのテクニック。なぜオススメかといえば、
・家庭でも再現が可能
・抽出理論を体感するのにピッタリ!
この二段階抽出は、温度計と2つのドリップケトルがあればご家庭で再現可能です!さらに抽出時間や抽出効率による成分の違いなど、抽出理論を学び、体感するのにピッタリなんです。ぜひご家庭で実践してみてください!
二段階抽出とは?
二段階抽出とは、抽出の工程を二段階分け、前半と後半で抽出効率をコントロールしながら成分抽出を行うテクニックです。多くの場合、前半と後半でそれぞれ湯温を変更して抽出効率をコントロールする方法をとります。
これは、抽出時間によってコーヒー豆から抽出される成分が違う、ということに基づいて考案された抽出方法です。抽出時間と成分の関係性についてはコチラの記事で紹介しています。簡単にまとめると、コーヒーの抽出時間と成分には、以下のような関係があります。
- 酸質は抽出初期にほとんどが抽出され、その後の抽出量は減少する。
- 苦味は抽出初期にその多くが抽出され、その後も抽出が続いていく。
- 甘味は抽出時間に比例して、抽出初期から後期にかけて長時間抽出される。
- 雑味は抽出の後期に多くが抽出され、一定時間を過ぎると多く感じられる。

時間と抽出成分のイメージ図
この傾向から、二段階抽出では前半は高い湯温で抽出を行い酸質を引き出し、後半は低い温度で抽出効率を抑えながら雑味を防ぎ甘みを強調します。

二段階抽出のイメージ図
二段階抽出のレシピ
それでは、実際にレシピの紹介をしていきます。今回ご紹介するのは、2016 Japan Brewers Cup 決勝大会で小川珈琲の名村バリスタが使用したレシピです。
・使用した抽出アイテム:エアロプレス
・使用したコーヒー豆:エルサルバドル アイーダグランドリザーブ ピーベリー ウォッシュト、粗挽き、24g 使用。
① 80度のお湯を70g注ぎ、3回攪拌した直後にすぐプレスする。
② 50度のお湯を110g注ぎ、5回攪拌し、10秒蒸らした後プレスする。
③抽出完了度、70度になるまで湯煎し完成です。
①で酸質を引き出した後で、②で雑味や渋みを抑えながら甘さとボディ感を表現します。前半は80度、後半は50度と、30度もの温度差をつけているのが特徴です。
実際に抽出してみると、クリーンなカップの中にフレーバーが生き生きと表現することができ、とっても美味しいです。抽出理論を知ることでハンドドリップやコーヒー作りの幅が広がっていきます。
ぜひ一度お試しください!