目次
珈琲抽出理論って何?
珈琲抽出理論とは、美味しいコーヒーの淹れ方を理論的に探究することです。
- どうすれば、美味しくなるのか
- なぜ、美味しくなったのか
- 何をどうすると、味わいがどう変わるのか
について、数字とロジックを使って探求していきます。
この考えは、近年のスペシャルティコーヒーやサードウェーブをはじめとするコーヒーブームによって、より広く知られるようになりました。産地の特性や精製方法による特徴あるフレーバーを最大限に引き出すために、成分抽出の方法について追求されたのです。
コーヒーギークでは、ハンドドリップコーヒーを抽出理論の観点から追求しました。
コーヒーの美味しさを構成する要素を4つに分類し、さらにそれを5つの要因でコントロールすることで、最適な味わいを引き出すことを可能にしています。
この珈琲抽出理論を習得することができれば、どんな状況においても、ハンドドリップコーヒーを最高のクオリティで提供できます。味わいの変化を理論的に捉えることができるので、状況の変化に合わせてレシピを最適に調整できるようになるのです。
例えば、
- 新しいコーヒー豆を仕入れたとき
- 店舗を移動して、水の質が変わったとき
- グラインダーが変わったとき
- 使用するドリッパーやアイテムが変わったとき
などなど、どんな時でも対応できます。
当店ではこれまで、この珈琲抽出理論をこのブログで紹介してきました。記事数も結構たまってきたので、今回の記事で一通りまとめてみます。
より詳しく知りたい方は、貼ってあるリンクから記事へ飛んでください。
コーヒーの美味しさを構成する4つの要素
当店では、コーヒーの美味しさを、
- 香味バランス
- フレーバー
- 濃度
- 収率
の4つの要素で考えています。
香味バランス
香味バランスとは、『酸質』『ロースト感(苦味)』『甘味』『雑味』『質感』のバランスを言います。質感は、その他の香味を下支えする重要な要素なので、ここで扱うこととしています。
この香味バランスを最適にすることで、コーヒー豆が持つ本来の味わいを最大限に引き出すことが可能です。
香味バランスの調整方法については、コチラの記事で詳しく解説しています。
→ ≪珈琲抽出理論≫抽出時間の考え方を理解し、香味バランスを整える
フレーバー
フレーバーとは、コーヒーを口に含んだ時に感じる『香り』と『味覚』を合わせた味わいを指します。
最近では、コーヒーのフレーバーを果実やお菓子などに例えることが多くなりました。身近なものに例えることで、コーヒーの楽しみの幅がグッと広がります。
このフレーバーは、お湯の温度やエイジングをもとに引き出すことが可能になります。
詳しくはコチラの記事で。
≪珈琲抽出理論≫エイジングを理解してコーヒーの美味しさを引き出す
ハンドドリップコーヒーはお湯の温度で味が決まる!こだわるなら温度計は必須。
濃度
濃度は、文字通り、ハンドドリップコーヒーの濃さを表しています。たとえハイグレードの高品質高級コーヒー豆を使用していても、濃度感が適切でなければ意味がありません。
ハンドドリップコーヒーについては、美味しいと言われる最適な濃度帯が存在します。珈琲抽出理論を抑えることで、常にこの濃度帯をキープしながら品質を安定させることができます。
濃度については、コチラの記事で詳しく解説しています。
≪珈琲抽出理論≫お湯の温度とハンドドリップコーヒーの濃度の関係
収率
収率とは、コーヒー豆からどれだけの成分が引き出されたか、その割合を示します。例えば、収率が18%だった場合、コーヒー豆が持つ全成分の内の18%がお湯の中に溶け出した、ことになります。
それに対し濃度は、お湯の中にどれだけコーヒーの成分が溶け込んでいるか、を示しています。微妙に違うのです。
収率については、コチラの記事で詳しく解説しています。
≪コーヒー濃度計≫の使い方を徹底解説。バリスタ御用達の必須アイテム。
ハンドドリップコーヒーの味わいをコントロールする5つの要因
コーヒーギークでは、次の5つの要因をコントロールすることで、ハンドドリップコーヒーが常に最適な味わいになるようにしています。その要因とは、
- お湯の温度
- コーヒー豆のメッシュ
- 抽出時間
- Brew ratio
- コーヒードリッパー
の5つです。
お湯の温度
ハンドドリップコーヒーのフレーバーは、お湯の温度によって調整することが可能です。
コーヒー豆に合わせて最適な湯温を選択することで、フレーバーを開かせることができるのです。基準となるレシピでコーヒーを抽出し、テイスティングしたとき、フレーバーが暗いまたは明るすぎるときは、お湯の温度を調整します。
お湯の温度については、こちらでご紹介。
ハンドドリップコーヒーはお湯の温度で味が決まる!こだわるなら温度計は必須。
コーヒー豆のメッシュ
コーヒー豆の挽き目であるメッシュは、ハンドドリップコーヒーの濃度に直結します。濃度感に違和感を感じるときは、コーヒー豆の挽き目を調整します。
具体的な調整方法については、こちらをご参照ください。
≪珈琲抽出理論≫コーヒーの濃度”TDS”の調整方法を理解する
抽出時間
抽出時間は、ハンドドリップコーヒーでお湯をかけ始めてから抽出が終わるまでの時間を示します。
この抽出時間は、香味バランスに大きく影響しています。なぜなら、コーヒー豆の成分はそれぞれ溶け出し始めるタイミングが異なるからです。
抽出時間をコントロールすることで、この香味バランスを最適な状態へもっていきます。
詳しくはコチラへ!
≪珈琲抽出理論≫抽出時間の考え方を理解し、香味バランスを整える
Brew ratio
Brew ratio とは、コーヒー豆と使用する水の比率を指します。このBrew ratioには黄金律なるものがあり、レシピを作る時も、これを基準にするとわかりやすかったりします。
また、ハンドドリップコーヒーの濃度調整にも役立ってくるので、ぜひ調整方法を覚えましょう。
詳しくはコチラ!
珈琲抽出理論-6. ハンドドリップのBrew ratio とは?コーヒー豆とお湯の黄金比率。
コーヒードリッパー
コーヒードリッパーはその形状や材質によって、味わいに大きく影響します。大きく分けると『円錐形』『台形』の2種類に分類され、それぞれ最適とされるコーヒー豆の焙煎度合いがあります。
使用するコーヒー豆や欲しい味わいに合わせてコーヒードリッパーを選べるようになると、一人前のバリスタです。
コーヒードリッパーについては、コチラの記事で!
最後に雑味について
ハンドドリップコーヒーで忘れてはならないこと、それは雑味対策です。
雑味とは、コーヒーを飲んだ時に感じるネガティブな要因です。『渋さ』『辛さ』『ただ苦い』『ただ酸っぱい』など、美味しくない要素全般をまとめて雑味と扱います。
コーヒーギークでは、
- 過抽出を防ぐ
- 微粉の対策を行う
2つの方法で、雑味の対策を行っています。
この記事はぜひ読んでいただきたいです。
≪珈琲抽出理論≫微粉対策最前線。蒸らしの落下液を捨てて雑味をカットする。
≪珈琲抽出理論≫ハンドドリップの過抽出を無くし、クリーンカップを作る。
コーヒーの雑味の原因は”温度”と”時間”と”微粉”。対処法まとめ。